人と自然が共存する社会パーマカルチャー。
その考え方では人と自然が搾取し合うことなく、共存できる社会システムをデザインしていくとされています。
では、そのデザインとはどのようなものになるのか?
今回はパーマカルチャーのデザインについて具体例も含めて説明していきます。
以前にパーマカルチャーについて説明しているので、パーマカルチャーについて詳しくはこちらをご参照ください、
目次
パーマカルチャーが目指すデザインとは?
パーマカルチャーは、1970年代にオーストラリアのビル・モリソン、デイヴィッド・ホルムグレンが提唱しました。そこには、私たちが持続可能な暮らしをしていくための知恵がたくさん詰まっています。
そのデザイン体系は具体的に
(1)自然をよく観察すること
(2)伝統的な暮らしや知恵を学ぶこと
(3)現代の適正な技術を融合させること
とされています。
日々の暮らしを見つめ、伝統的な知恵を取り入れ、人と自然が共存するように作る手法です。 永続性・農業・文化を掛け合わせて、持続可能な社会システムの実現を目指すことで、人と自然がとても豊かになるため”win-win”な関係性をデザインしていきます。
パーマカルチャーデザインの実例
ではどのように実現させていくんでしょうか?
この「持続可能なデザイン」というのは、主に農園や庭や家屋のデザインなどです。
具体的には下記で説明します。
実例
薪ストーブ
薪ストーブは、木材を燃やして暖房するための炉やストーブのことです。通常、薪(木の小枝や丸太)を燃料として使用し、燃焼によって発生する熱を部屋に放射して暖房効果を得ることができます。環境にやさしく、自然な暖房手段として利用されています。
キッチンガーデン
キッチンガーデンは、家庭用の小さな庭やスペースで、食材を栽培するために使われる庭園のことです。通常、ハーブ、野菜、または調味料など、料理に利用される食材を育てる目的で設けられます。これにより、新鮮で自家製の食材を手に入れることができ、料理において品質や風味を向上させることが期待されます。
生ごみ堆肥システム
生ごみ堆肥システムは、家庭や施設で発生する有機廃棄物(生ごみ)を有用な堆肥に変えるためのシステムです。通常、このシステムには特殊なコンポストユニットが含まれ、生ごみを分解・発酵させるための環境が整っています。微生物の働きにより生ごみが分解され、堆肥としての肥料が得られます。生ごみ堆肥は土壌改良や植物の栄養源として使用され、同時に廃棄物の削減やリサイクルが促進されます。
微生物や水性植物を利用した水の浄化システム
微生物や水性植物を利用した水の浄化システムは、自然の生態学的プロセスを模倣して、水を浄化し汚染を取り除く方法です。これにはいくつかの方法があります:
1. 植物を利用した浄化(植物浄化)
特定の水生植物が水中の有害な物質を取り込み、分解、吸収する能力を活かして水質浄化が行われます。これは「湿地浄化」や「人工湿地」などとも呼ばれます。
2. 微生物による浄化(生物浄化)
特定の微生物が水中の有機物を分解するプロセスを利用します。これには、好気性および嫌気性の微生物が関与することがあります。
3. バイオフィルター
特定の微生物が水を通過させられるフィルターシステムが使われ、これにより微生物が水質浄化に寄与します。
これらの方法は持続可能で環境にやさしく、公共施設や地域の水質管理に応用されています。
鶏小屋(にわとりごや)
鶏小屋は、鶏やニワトリを飼育するための小さな建物や施設のことを指します。鶏小屋は通常、餌や巣箱、鶏が避難できるスペースを提供するために設計されています。これは養鶏を行う農家や趣味の園芸家にとって一般的なもので、新鮮な卵を手に入れるために使われることがあります。鶏小屋は、鶏を保護し、管理するための安全で快適な環境を提供します。
倉庫
パーマカルチャー的な倉庫は、パーマカルチャー(永続可能な農業と生活のデザイン手法)の原則に基づいて設計された倉庫や保管施設を指します。これらの建物は、環境への影響を最小限に抑え、持続可能性を重視しています。
具体的な特徴としては、再生可能エネルギーの利用、自然素材の使用、省エネ設計、雨水収集システムの導入、循環型の設計などが挙げられます。これにより、倉庫が生態系にやさしく、資源の効率的な利用が促進されます。
パーマカルチャー的な倉庫は、農業や持続可能なコミュニティにおいて、資材の保管や加工、エネルギーの確保などを行うための施設として設計されます。
まとめ
今回は一部の物の説明をさせてもらいましたが、他にも様々な取組があります。
そして、そのような物理的なものだけでなく、余剰物の分け合いから不用品のシェア、種の交換会、お互いの技術のシェア、地域コミュニティーのデザイン、地域通貨まで含み、人が作りだすコミュニティーまでも言及しています。
いずれも自然素材や自然エネルギーを機能させ、エコでゴミにならず、むしろ素材を生かすような仕組みで、それぞれを配置します。
日本では、日本の暮らしにあった生活様式や深い知恵や伝統が数多くあります。それを再発見し生かすこともパーマカルチャーでは重要になります。
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