山で採り、食べることのできる植物”山菜”。今回はそんな山菜でもウワバミソウについて紹介します。
目次
ウワバミソウとは?
基本情報
北海道から九州に分布するイラクサ科ウワバミソウ属の多年植物です。ウワバミ(大蛇)の住みそうな暗くジメジメした所に生えることから名付けられたそうです。また、タキナ・ミズナ・ミズとも呼ばれています。茎が柔らかく水分が多いことから「水(ミズ)」と呼ばれるようになりました。また、根元の色が赤いためアカミズとも呼ばれます。
ちなみに根元が青いものはアオミズといい、正式名はヤマトキホコリです。同じイラクサ科ですが別の植物で、こちらは一年草になります。アオミズも食べることができ、味や食感は似ていますが、粘りのあるアカミズの方が美味しいと人気があります。
栄養価
ウワバミソウは栄養価が高く、ビタミンB1、B2、Cやミネラルが多く含まれ、かぜ、がん予防、抗酸化作用、解毒作用があるとされています。
むかご
またウワバミソウは夏から秋にかけて実をつけます。実といってもいわゆる種のある実ではなく、茎が肥大化して形成される肉芽、「むかご」のことで、「ミズムカゴ」とか「ミズのコブ」と呼ばれています。ちなみに一般的に「むかご」として売られているのは、ヤマノイモやナガイモなど、山芋のむかごのことです。
ウワバミソウの採り方
採れる場所
ウワバミソウは日のあまり当たらない湿地帯や水辺の斜面に群生していることが多いので、そういった場所を探すと比較的簡単に見つけられます。また、わき水が出ているような場所にも生えるほか、水が滴っているような斜面に群生しやすい特徴があります。
沢筋の水が流れる湿地帯には、「ミズ畑」と呼びたくなるほどの大群落を形成し、大量に採取できます。
採れる時期
旬の時期は、4月下旬~6月初旬と言われていますが、食べられる期間は長く、10月頃まで美味しくいただけるのが特徴です。旬の後、夏から秋にかけてはむかごが採れるようになります。
その長い可食期間から、山に入る時に存在を知っていれば、遭難しても大丈夫と言われるほどありがたい山菜でもあります。
採り方
上記したように、たきみずなは多年植物です。そのため収穫した後も、再び生えてきます。なので翌年に繋げるために、根元の1~2cm上を折るようにして、根元を残すように採りましょう。
調理方法
ウワバミソウはクセもなく、たんぱくでどんな調理にも合い、シャキシャキっとした歯ごたえと、トロっとした舌触りが特徴です。また、アク抜きをしなくても食べられる珍しい山菜でもあります。下処理方法と調理方法をまとめておきます
下処理
新鮮なタキミズナは葉っぱを取り除き奇麗に水で洗います。次に、手で茎の先に折り目を入れ、薄皮を果物ナイフなどでスーッと剥いていきます。最後に、塩をひとつまみ入れ沸騰させたお湯で、根元の赤色が鮮やかな緑になるまでさっと茹で、ざるに取って水洗いし、好みの大きさに切ります。
調理方法
ウワバミソウはシャキシャキっとした歯ごたえと、トロトロっとした舌触りが特徴です。
アク抜きをしなくても食べられる珍しい山菜で、クセも無いので「お浸し」「和え物」「炒め物」などシンプルな食べ方も向いていますし、「煮物」や、「味噌汁」に入れても美味しく食べることができる、まさに万能な山菜といえます。
また、叩いて粘りを活かした「たたき」も通な食べ方です。あっさりとしたとろろのようになります。この場合は味噌やニンニクと一緒に叩いたり、醤油やポン酢をかけて食べるようにしましょう。
長期保存
ウワバミソウ(赤みず)は下茹でした後に塩漬けにすると長期保存が可能です。
水分が多く、冷凍保存には向かないので注意しましょう。
むかご
ムカゴは茎と同じように、ひとつまみの塩を入れたお湯でさっと下茹でをします。
独特のホクホクした食感とぬめりがあるので、下茹でしたものは、そのまま醤油などをかけて食べるのも美味しいですし、「お浸し」「和え物」「炒め物」にすることもできます。また「炊き込みご飯」に入れても美味しいです。
まとめ
アクもクセもなく、4月から10月までの長期間食べることができ、どんな料理にも合わせやすいウワバミソウについて紹介しました。沢や滝などがあるような、ジメジメした場所に山菜採りに行く場合は、探してみてはいかがでしょうか。
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